H18年度の行政書士試験では、五肢択一式、多肢選択式、記述式の3つの問題形式が出題されています。
以下に、それぞれの対処法や対策を挙げます。
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五肢択一式
5つの選択肢の中から正解を1つ選ぶパターン、複数の正解を選ぶパターン、正しいものの個数を問うパターンの3通りあります。
問われている知識は、
基本的なものが多く、基本テキストと過去問演習の繰り返しによって、十分に対応することができます。
難問も出題される場合があります。難問は、4つの選択肢は見たこともないような難しい選択肢ですが、残りの1つは基本的な知識を問う選択肢である場合があります。
つまり、4つの選択肢のみでは正誤判定がつかないけれども、
残りの1つで正誤判定ができる場合があるということです。
ぜひ、この方法で難ランクの問題を実際に解いてみてください。
この方法が通用しない場合もありますが、このことを知っておくと気分的に楽です。
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多肢選択式
語群から空欄補充する問題です。似たような用語が並べてあり、
知識を正確に覚えていないと対応できません。
この形式の問題で問われているのは、法律用語・概念を知っているは当然の前提として、それを実際に運用する能力です。
つまり、
単に知っているだけでは駄目で、法律用語を実際に使える能力が問われています。
対策としては、基本テキストを何度も読みながら、
文章の中で、法律用語の使い方や定義を覚えていく方法が有効です。
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記述式
40字程度の記述式問題です。
H18年度の行政書士試験を見る限り、
配点も高く(法令科目の約25%)、
合否を分ける問題だと言えます。
H18年度の行政書士試験では、条文・論点の知識・手続きなどの基本的事項を中心に問われています。
そこで、対策としては、基本テキストを何度も読み、定義・論点における判例の考え方・手続きの流れを自分の頭で整理しながら、
テキストを見ずに口頭で言う練習を繰り返す方法が有効です。
そして、平成18年度の行政書士試験を見る限り、
具体的事例を想定しながら、条文を素読することが重要です。
例えば、H18年度の本試験の第45問は、「買主が売主に手付を交付した場合、買主が契約を解除をすることができる要件」を答える問題でした。
これは、民法557条の知識を問う問題です。
・民法557条
買主が売主に手付を交付したときは、
当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその
手付を放棄し、売主はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる。
そして、行政書士試験研究センターが発表した正解は、以下の通りでした。
正解と民法557条を見比べると、
条文の知識を重視していることが、よくわかると思います。
・第45問の正解
「
当事者の一方が契約の履行に着手するまでに、手付を放棄して、契約解除の意思表示をする。」
(以上、
行政書士試験研究センターのHPより抜粋、強調は作者)
さらに、
H18年度の本試験の第46問は、単に知識を問う問題ではなく、
事例を分析する力が必要とされる新傾向に沿った出題でした。
第46問の正解は以下の通りに発表されています。
・第46問の正解
「CがBに対して
払い渡す前に、損害賠償請求権をAが差し押さえなければならない。」
(以上、
行政書士試験研究センターのHPより抜粋、強調は作者)
これは、民法304条の知識を問う問題です。
・民法第304条
先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。
ただし、先取特権者は、
その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない。
H18年度の行政書士試験の傾向が
今後も踏襲されるかは未定ですが、
事例を分析する力と条文・判例の知識を試す傾向は今後も続くことが予想されます。
覚えた条文や判例の知識を具体的事例に適応して問題を解決する力が試されていると言えます。
記述式問題に対応できる力をつけるには、
具体的事例を思い浮かべながら、条文や基本書を読み込み、テキストを見ないでも自分の言葉で言えるまで繰り返し覚えることが重要です。
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